GAP、インドでの児童労働が発覚


10月30日追記


米国の衣料小売大手GAPがインドの縫製工場で児童労働が行われていたことが発覚した。
これは英国の新聞、オブザーバーの潜入取材で明らかになった。


英国BBCの報道


オブザーバーの記事
Indian 'slave' children found making low-cost clothes destined for Gap | World | The Observer


米GAP、インドの下請け業者で児童労働か 国際ニュース : AFPBB News


CNN.co.jp : ギャップの下請け工場で児童労働 英紙が指摘 ? - ビジネス

ギャップの下請け工場で児童労働 英紙が指摘

2007.10.29
Web posted at: 12:21 JST

  • CNN/AP

ロンドン──28日付の英高級日曜紙オブザーバーは、衣料小売大手ギャップのインドの工場で、子どもが労働を強いられていると伝えた。子どもの中には10歳児も含まれているという。ギャップは報道を受けてインドの下請け業者らとの会合を開き、児童労働を禁止する社内規定を順守するようあらためて求める意向を明らかにした。

オブザーバー紙が複数の子どもの発言として伝えたところによると、子どもたちは東部ビハール州や西ベンガル州に住む家族によって工場に売られ、負債を返済するまで辞めることを許されない状況にある。16時間も衣服の縫製に従事しているが、訓練中との理由で賃金を支払われていない。

「ジバジ」と名乗る少年は同紙に対し、子どもたちが泣いたり、真剣に仕事をしない場合は、工場関係者がゴム管で子どもたちを叩いたり、油で汚れた布を口に詰めるなどの虐待を行っていると語った。同紙は、職場の衛生環境も劣悪であると伝えている。

ギャップは先週、児童労働の実態を初めて把握し、工場を経営しているのが孫受け業者であることを突き止め、下請け業者がこうした孫受け業者と契約しているのは社内規定違反であると判断した。問題が指摘された工場で生産された製品は処分する。また、規定違反を重大に受け止め、下請け業者との契約を打ち切る方向で検討している。


1990年代に、ナイキ、アディダスリーボックなど一流スポーツアパレルメーカーが、インド、パキスタンバングラディシュなどで児童労働によって自社製品を生産していたことが明らかになり世界的な非難を浴びたが、未だに同じようなことが行われていたのだな。2004年ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境運動家ワーンガリ・マータイは、児童労働こそは最後の奴隷制度であるといっている。つまり、こういった児童労働の被害者である子供のすべてが、親の債務の肩代わりとして5〜10年という長期にわたってタダ働きさせられているのだ。
また現代では製造を発注する先進国の企業は手を汚さず、後進国の下請け企業がそのまた孫請け企業を使って児童労働を行うという巧妙な手を使っている。今回もGAPはすぐに謝罪・釈明の声明を発表したが、生産・流通のグローバル化がここまで進んでいて、低コストで製品を生産するということが命題である限り、同社に限らずあらゆるグローバル企業においてまたこういうことが発覚する可能性は高いと言わざるを得ない。


児童労働−その悲惨な実態


米国ABCの報道
http://abcnews.go.com/Video/playerIndex?id=3786553


この問題に関する米国GAPの声明
http://www.gapinc.com/public/Media/Press_Releases/med_pr_indialabor102807.shtml