日本株式会社総務部長福田康夫

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中秋の名月である。
「王や長嶋がヒマワリなら、オレはひっそりと日本海に咲く月見草」と言ったのは、史上初の2500本安打を打った時の野村克也の試合後の発言である。当時のパリーグはまったく人気がなく、この試合も観客は6000人、拍手をしたのは数十人であったと言う。*1
さて、きょうは福田康夫総理大臣の就任記者会見である。
野村さんの時とは違って、日本国民1億2千万人が見守っている。テレビの街頭インタビューで「どこかの会社の総務部長って感じがして地味だよね」という声があったが、まさにそのとおり。野村さんは自分で月見草と名乗ったからまだいい。この新しい第91代の総理大臣には自分で名乗るほどの「華」もなければ「花」さえもない。
どこまでいっても「総務部長」タイプ。調整役にはちょうどいいかもしれないが、国家の最高責任者としてはどうか。うまくリーダッシップを発揮し舵取りがうまくできるのか。小泉さんまでは、総理大臣個人が持つ強烈な個性で、いいにつけわるいにつけ支持を受け、反発も受け、また逆にそれをしっかりと受け止める力があったように思える。が、安倍さん、そして今度の福田さんと、どうもそれほどの力があるようには思えないのである。よく企業の不祥事があると必ず総務部長が謝罪に出てくるが、まさにその総務部長にぴったりとくるのが福田さんなのだ、と私は思う。またぞろ閣僚の問題が発覚した時に何かオロオロしそうだ。そして彼自身が不必要、不謹慎な発言をして恥の上塗りをしなければいいのだが。
それにしても、基本的な疑問で申し訳ないが、ここにきて何で福田さんなのだろう。彼が「総務部長」タイプで何でも言う事を「はいはい」といって聞いてくれるだからだろうか。新閣僚の顔ぶれをみても派閥の領袖ばかり。この事を見ても福田さんが総理大臣としてではなく、彼らの操り人形として、「日本株式会社」の総務部長として日本国に雇われたのであろう。
さてこの「総務部長」、その首はいつまで持つのだろうか。そう長くは持つまい。この国の大衆に受けのよい誰かが現れたら、さっさと首を挿げ替えるに違いない。そうしなければこの国の権力は維持できないのだから。