「僧侶30〜40人、市民50〜70人殺害」ミャンマーの人権報告


http://sankei.jp.msn.com/world/asia/071025/asi0710251946008-n1.htm

 【ニューヨーク=長戸雅子】国連人権理事会のピネイロ特別報告者(ミャンマー担当)は24日、ミャンマーの人権状況に関する報告書を国連総会第3委員会(人権)に提出した。ピネイロ氏はこの中で、同国軍事政権による武力弾圧の犠牲者数について、「独自の情報源から30〜40人の僧侶と50〜70人の市民が殺害されたとみられる」とし、軍政側が発表した10人という死者数を「実際より過少に見積もっていると思われる」と指摘した。

 ピネイロ氏は「実弾やゴム弾、催涙ガスを使った行き過ぎた実力行使があったことを確認している」とし、デモに参加して拘束された人と、民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんを含む政治犯の即時かつ無条件の解放を求めた。

 拘束された人の死亡や拷問、行方不明などに関する報告を、(複数の情報源から)引き続き受けているとも述べ、3000人余のデモ参加者が劣悪な状況下で拘束されているとの見方を示した。

 そのうえで、軍政に対し、行方不明者の所在を明かすことや、拘束された人が国際赤十字などの人道支援を受けられるようにすることなど9項目にわたる要請を行った。

 ミャンマー政府はピネイロ氏の報告に対して、「客観的とはいえず事実無根の主張がちりばめられている」と反論した。

 ただ、軍政当局は24日までに、2003年11月を最後に入国を拒否してきたピネイロ氏の来月初めの入国を許可する方針を国連に伝えている。