ビルマ情報ネットワークからの情報(10月8日)

ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo)のMLからの情報を転載する。

ビルマ情報ネットワークがまとめた10月8日の情勢などをお送りします。
ビルマ情報ネットワークのウェブサイトに写真・動画なども多数掲載していますので、ぜひご覧ください。
http://www.burmainfo.org/politics/88GSG_200708.html

BNN日本語ヘッドライン〜きょうのビルマのニュース
http://d.hatena.ne.jp/burmainfo/

ビルマ情報ネットワーク(BurmaInfo)
秋元由紀

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10月8日の情勢
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10月9日
ビルマ情報ネットワーク

【ラングーンの川に遺体】

2007年10月5日午前10時頃、ラングーンのタケタ区とツワナ区を結ぶ橋の下に僧侶の遺体3体があるのが見つかった。これを見に数百人が集まったが、警察が来て群衆を解散させ、遺体を持ち去った。

【全ビルマ僧侶連盟(ABMA)の声明】

ビルマ僧侶連盟(ABMA)は声明を出し、国連安保理ビルマに対する決議採択の際に拒否権を発動しないよう中国に求めた。軍政が指名手配している5人の代表的僧侶5人のうち1人であるガンビラ師がRFAビルマ語サービス(ラジオ)で声明を読み上げた。一部紹介する(非公式訳)。

「中国政府が、ダルフールで数百万人の死亡者を出したスーダン政府を支援していること、自らチベットの僧侶を容赦なく殺していること、僧侶や尼僧、市民を攻撃、逮捕し殺すビルマ軍政を支援していること、そして世界各地で軍事政権や犯罪人の台頭を推進していることから判断すると、中国政府が世界の平和と安定を脅かす結果になっていることは事実だと言える。

「国連安保理で中国が拒否権を再び行使し、ビルマに対する決議をつぶすようなことがあったら、私たち全ビルマ僧侶連盟は全世界に向けて、2008年の北京オリンピックをボイコットし、中国製の製品を買わないよう呼びかけるだろう。またすべての僧侶に対し、世界中で北京オリンピックボイコットキャンペーンを繰り広げるよう要請するだろう」

ビルマ僧侶連盟の別のリーダー、メッタ・ナンダ師もRFAビルマ語サービスに対し、一連の弾圧で逮捕されたり殺されたりした僧侶や尼僧のリスト、および軍政に襲撃された僧院のリストを作成中であると話した。また連盟内に委員会を設置し、軍政の弾圧に関する文書や写真、目撃者の証言などを集めていることも明らかにした。これらの証拠を使って弾圧についての報告書を作成し、ビルマ国民と国連など国際社会に向けて発表する予定。これまでの調べでは、ラングーン管区やカチン州を中心に少なくとも37の僧院が襲われた。氏によれば2000の僧侶が逮捕され、300〜500人が殺された。

【逮捕者数】

2007年10月5日に行われた国連安保理への報告の中で、事務総長特別顧問のガンバリ氏は「ミャンマー政府からの情報によれば、デモに関連して逮捕されていたうち2095人が今日までに釈放された。この中には僧侶728人も含まれており、今後も釈放は続いていく。これは事務総長に変わって私がミャンマー当局に行った要請に直接応えるものである」。軍政の国連大使も同じ会合で「これまでに2095人の僧侶や一般市民が釈放され、今後も釈放が続く予定だ」と述べた。

しかし2007年10月6日付の国営紙(ニューライト・オブ・ミャンマー)によれば「当局は10月4日までに692人を釈放した。10月5日に517人が念書を取った上で釈放された。これまでに1215人が釈放されたことになる」。同紙はまた別の記事で、「533人の僧侶が僧院から連行された。本物の僧侶と偽の僧侶を区別することが難しかったからである。533人のうち、398人が釈放されている」。つまり10月6日の時点で当局が釈放したのは1613人(1215人+398人)である。したがって国営紙の数字と、軍政がガンバリ氏に伝えた数字とは一致しない。軍政がガンバリ氏に示した数字の方が多い理由は不明である。

【スーチー氏との連絡役】

軍政は、アウンサンスーチー氏との連絡役に労働副大臣のアウンチー少将を任命した。過去には、キンニュン元首相に近かったチョーウィン少将が連絡役を勤めていたが、キンニュン首相が更迭されてからは連絡役がいなかった。